
■ビジネスプランコンテストに応募したきっかけを教えてください。
北区ビジネスプランコンテストの存在は、ビジコンの司会も務めているスピーチコンサルタントの倉島麻帆さんから「第1回北区ビジネスプランコンテストのファイナルイベントがあるよ」と教えていただきました。2018年の春のことです。
興味を引かれて会場に足を運んでみたら、コトイロの織戸龍也さんを始め、地域でよく存じ上げている方々が壇上にいらっしゃいました 。
みなさまのお話を伺いながら「なるほど」と思いました。「地域をベースにして仕事を広げるためには、こういうやり方もあるのだな」と。Facebookなどを見ていると、北区に限らず新しくビジネスを始めた人たちが色々なコンテストへの参加や、受賞のことについて積極的に情報発信していました。「これにはどういう意味があるのだろう?」とずっと考えていたのですが、その疑問が氷解しました 。
私自身、オリーブオイルの輸入販売で起業をしたのは2006年の春でしたので、2019年の第3回北区ビジネスプランコンテストにエントリーした時点で、既に15年近い個人事業主としての経験があったことになります。
けれども、2017年頃から空き家・空き部屋対策の一環として民泊事業も視野にいれつつ準備を進めていた北区での新事業を、どうやって地域のみなさまに知っていただき、広げていけるかというところで頭を悩ませていました。私は生まれも育ちも北区です。区内には旧知の間柄の方々も少なくはありません。ところが、オリーブオイルの仕事の舞台は地域に限らず広域であったので、ビジネスの面での取り組みについて、北区を意識しての情報発信はしておりませんでした 。
また、ビジコンファイナルの壇上にいたのは起業家たちだけではありませんでした。審査員席には、商工会議所や金融機関や行政など、地域経済の中核を担っている方々がいらっしゃいました。2006年に起業した時には、こちらから飛び込んでいってお話を聞いていただいていた方々が、一同に会している。しかも、みんなでこちらの話に真剣に耳を傾けてくれるのだ。ならば私もコンテストに応募して何とかファイナルまで残り、話を聞いてもらおう。ビジコンに応募した最大の理由は、このことだったのです。
■ビジコンに応募してよかったことを教えてください。
おかげさまでファイナルまで残ることができ、みなさまに私のプランをしっかりと聞いていただいて、さらに城北信用金庫賞まで頂戴し、本当にありがとうございました。
また、恥ずかしながら私はそれまでに、事業計画書や予算書などは作ったことがありませんでした。ビジコンに応募することで、そういうビジネスの入り口の基本的な事柄やビジネスの構築の仕方などを、目的を持ってしっかりと学べたのはすごく大きかったです。
北区の補助金や給付金など、公的な支援のシステムの活用法に気づけたことも大きな収穫でした。今まで資金調達は自己資金を投入すればいいのだろうと考えておりましたが、公的なシステムを活用して前に進んでもいいのだと思えるようになりました。補助金や給付金は元をたどれば私たちの税金です。でも、それを上手に活用して先々で利益や価値を生み出していければ、十分社会に還元できるじゃないかと。仕事の幅や、関わる世界がぐんと広がったように感じています。
