【第1回北区ビジネスプランコンテスト 城北信用金庫賞 受賞】
自動応答AIチャットボットソリューション
■ビジネスプランコンテストに応募したきっかけを教えてください。
区内で助成金の相談などをしていた中小企業診断士の方から「こんなものがあるけど出てみない?」と第1回の北区ビジネスプランコンテストを紹介していただきました。
その時はちょうど、北区赤羽で私の祖母がかつて経営していた築45年の美容院ビルをフルリノベーションした宿泊施設「ICHINICHI」を経営して、2、3年経った頃でした。開業してすぐはビジネスを軌道に乗せるまでがすごく大変で、何か他のことを考える余裕はなかったのですが、日本や海外でも色々なところで取り上げていただいたり、国際的なインテリアデザイン賞などをいただいたりもあって(Asia Pacific Interior Design Award 受賞)スタッフも増え、少し私の手も空くようになってきたタイミングがその頃でした。
宿泊施設を運営していると毎日同じような電話がかかってくるんですよね。「チェックインは何時からですか?」「駐車場はありますか?」とか、本当に決まりきった内容の質問を毎日聞かれるんです。それで、何とかこれを自動化できないかと考え、元々お付き合いのあったシステム会社さんと共同で、「AI チャットボット」を開発することにしたんです。宿泊事業者はどこも状況的には似ているので、これを販売していこうと開発をし、ちょうどリリース直前くらいのタイミングでビジネスプランコンテストのお声がけをいただいたので、みなさんに知っていただくという意味でもそうですし、開発自体をまだまだブラッシュアップしなくてはならないタイミングだったので、第三者目線でフィードバックしてもらえれば、より良いものになるのではないかという思いもあって、応募しました。
■ビジコンに応募してよかったことを教えてください。
ビジネスプランコンテストというもの自体の存在があることを知らなかったので、そういったものがあるということを知るきっかけになりました。それをきっかけに、他にも色々あるんだなということがわかり、その後東京都のアクセラレーションプログラムに採択されたり、そこから海外派遣や、VCや自治体、企業ともつながることができています。
ビジネスプランなどで賞を受賞すると、お墨付きというほどではないかもしれませんが、投資家や自治体の方と話をするときに、最初から話を聞いていただきやすいなというのは感じています。
■ビジコンで受賞した後の事業の状況を教えてください。
現在、受賞したプラン事業自体は、終了しています。当時、私たち以外にもAIチャットボットを開発しているところがいくつかあり、資金調達や開発スピードの面で遅れを取り、販売はしたものの、上手く成長に繋げることができませんでした。
現在は、これも宿泊施設を運営していたなかでの経験から生まれたものですが、小学生対象のオンラインのクリエイティブスクール「9kidslab -ナインキッズラボ」を立ち上げ、1年ほどになります。日本だけでなく海外からも生徒さんが参加してくれています。
宿泊施設(2021年末で営業を終了)を運営する中で、子ども達を集めてコンサートやワークショップをやったりしていたことから、これを事業化できないかと考えたことがきっかけです。
自分自身がデザイナーであり、かつ小学生の子どもがいるなかで、今の公教育、特に非認知能力を育むクリエイティブ教育に関して疑問を持ったことも立ち上げる理由でした。
このサービスは小学生を対象としていますが、子ども達にデザイナーやアーティストになってほしいわけではなく、どんな方向に進んでいくにしても、デザイン的な思考や発想がベースにある状態で大人になって、色々な業界で「人生を楽しみながら切り拓いて」いって欲しいなと思っています。